イヴァン、または獅子の騎士

 

『イヴァン、または獅子の騎士』は、クレティアン・ド・トロワによる騎士道ロマンス。
成立はだいたい1170年ころで、ウェールズの英雄、「ウリエンの子オワイン」をモデルにしたそうな。

クレティアンはアーサー王物語の原型になる物語をいくつか書いてますが、この『獅子の騎士』もその原型の一つです。
もともとはフランス語の物語で原題は、『イヴァン、ウ・ル・シュヴァリエ・オ・リオン』(Yvain ou le Chevalier au Lion)だそうです。
フランス語、というのは日本であんまり一般的じゃないのでこれを英訳すれば『イヴァン、ザ・ナイト・オブ・ザ・ライオン』(Yvain, the Knight of the Lion)になるみたい。
ん、「ou」(英語の or に相当)はどこへ行ったんだということでタイトルは『イヴァン、または獅子の騎士』とさせて頂きました。

なんというか、のちアーサー王伝説の集大成といわれる『アーサー王の死』が書かれるのですが、そこではあんましイヴァンは活躍しないし、獅子の騎士とも呼ばれません。
獅子を助ける役目はパーシヴァルに奪われるし、リュネットとかはガレスの冒険に取られるし、となんかさんざん…。

とりあえず、原文はwordで80枚を越え、翻訳は困難だし、入手は難しそうだけど(amazonで中古8000円ほど)すでに和訳があると言うことなので、とりあえず感想文というかリライトしてみました。
興味がありましたら、下の目次から本編をどうぞ。
そのうえで面白い、と思いましたらweb拍手でも入れてくださったら嬉しいです。

解説など作りましたので、簡単にすませたいかたはそっちへどうぞ。


== 登場人物 ==
イヴァン
本編の主人公。アーサー王の甥で、「獅子の騎士」と呼ばれることになる

ローディーヌ
本編のヒロイン的存在。イヴァンに夫を殺された未亡人。

ルネット
ローディーヌの妹。かなりの知恵者。裏ヒロイン的な存在。

カログレナント
イヴァンの従兄弟。ちょっとへたれ。

ガウェイン
イヴァンの従兄弟。かなり扱いはいい。

アーサー王
ブリテンの王。騎士を束ねる物語のかなめ。

 

== 目次 ==

1章 聖霊降臨祭の夜
2章 カログレナントの冒険
3章 湖の戦い
4章 落し格子の罠
5章 中世の法医学 
6章 恋の虜囚
7章 ルネットの話術
8章 和解の成立 
9章 イヴァンの結婚
10章 イヴァンは泉を守る
11章 ガウェインの説得
12章 イヴァンの裏切り 
13章 狂えるイヴァン
14章 モーガンの秘薬
15章 イヴァンの休息
16章 獅子奮迅
17章 獅子と龍
18章 獅子を友とす
19章 ルネット再登場
20章 領主の依頼
21章 イヴァン対巨人
22章 火刑台のルネット
23章 新たなる旅立ち 
24章 妹姫の冒険
25章 旅の乙女
26章 搾取の構造 
27章 悪魔の子
28章 決闘裁判
29章 獅子の騎士vs太陽の騎士
30章 アーサー王の判決
31章 ふたたびルネットの話術
終章 永遠の愛

解説らしきもの

 

 

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