3章 冒険の始まり

 

アーサー王の言葉を聞いていたエレンは悲しみにくれて叫んだ。

「ああ、なんたる厄日かしら!

そんな言葉を聞きたくはありませんでした。

王よ、こんな子供を派遣するなどと愚かな発言をしたことで、貴方の名誉はたった今地に落ちました。

もっと他に複数のトーナメントで実績のある騎士、ランスロット、パーシヴァル、ガウェインなどの騎士がいるではないですか!」

 

リベリアウス・デスコヌスは答えた。

「ボクは他人が起こっていようとも気にはしません。

それに、ボクは槍や剣を使って敵を殺すやりかたを習っています。

道や街路で会ったらとしたら、打ち負かしてやりますよ。

ボクはレディを見捨てることなく戦います。そして、アーサー王の法を守ります。」

 

リベリアウスが言い終わると、アーサー王は直ちに、

「キリストに掛けて、私は、お前の他の騎士を派遣することはしない。

乙女よ、もしこの者が役不足と思うなら、ここを立ち去り、他に相応しいと思う騎士を探すのだ。」

 

激怒した乙女は、何も飲んだり食べたりすることしなかった。それでも、ドワーフとともに席に着くと、豪華な食事が終わるまで絶望した様子で座っていた。

食事が終わると、アーサー王は円卓の騎士の中で優れた4人の者()に命令し、リベアウスに最高の武具を身に付けさせる。

 

「キリストに川の水で洗礼をさせた洗礼者ヨハネのように、約束に従ってこの若者をレディ・シナドウンを守るための戦士に仕立て上げるのだ。」

 

これに従い、騎士達は素晴らしい武具を若者に与えることにした。

フランスの本によれば、まずガウェインが、第2にパーシヴァルが、3番目にイウェインが、そして4番目にアグラヴェインが武具を与えたと言う。

4人は若者に真っ白な絹のシャツを着せた。さらに、若者に輝く鎖帷子を着せた。その鎖帷子は豪華なもので、鎖と鎖の間隔が小さく、防御力の非常に高いものだった。

若者の父、ガウェインは若者の首にグリフィンの絵を描いた盾をかけると、ランスロットは戦いで役に立つ立派な槍を贈り、さらに鋭い剣も与えた。

イウェイン卿は馬を与えた。この馬は何事にも優れ、獅子のような熱い心を持っているのである。

それから、パーシヴァルは鉄製でなく、鋼鉄製で高価な兜を若者の頭に載せた。

 

 4人の者っていうけれど、途中でアグラヴェインはどこへいったんだろう…。ここは訳者のミスじゃなくて、原文がそうなってる。)

 

すっかりと騎士の姿になった若者は馬に飛び乗ると、アーサー王の所まで馬に乗って進み、

「我が主よ、ボクに許可をください。

ボクが望む事は、これ以上遅れることなく、すぐに出発することなんです。」

 

アーサー王は腕を上げると、礼儀正しいやり方で若者に許可を与えた。

「神がそなたに優美さと、十分な速度を与えられますように。

そなたが、レディを束縛から解放できますように。」

乙女も馬に乗ると、ドワーフは乙女の隣で馬に乗った。

 

2009/8/11

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