10章 ブリタニアの将来2

 

10−1

サクソン人の王は市民を追い出し、長い間国を支配するだろう。3度、サクソンの龍は王冠を得るだろう。200人の修道士がレスターで殺されるだろう、そしてサクソン人は支配権を奪い取り、レスターの城壁内を空っぽにするだろう(『ブリタニア列王史』、1112章にレンスターの修道士が大量虐殺された記述がある。だが、『アングロ・サクソン年代記』など多くの史書と矛盾している)。

 

アングル人出身で、最初にブルータスの王冠を得た男は虐殺によって荒廃した街を修繕するだろう。蛮族達は国内でキリスト教の秘蹟をすることを禁止し、教会に神の偶像を設置する。その後、ローマが修道士を通じて神をもたらし、聖職者は建物に聖水を振りかけて再建するだろう。そして、教会には羊飼いを駐在させるだろう。その後、ほとんどの人々は神の法に従い、正しく楽園を享受するだろう。

 

だが、毒に汚れ、不信心な者達はこの結末を冒涜し、善と悪を混ぜ合わせるだろう。この者達は遠く海の彼方の国に自分の息子や親類を売り飛ばし、代わりに天の怒りを買うであろう。なんという罪だろう!造物主は自由と、また天国に相応しいと考えて彼らをおつくりになったと言うのに、雄牛のよう縄で引かれて売り飛ばされることになるなんて。神を裏切った者達は哀れなもので、王座についていても神に譲るのだ。

デンマーク人は艦隊でやってくると、この地を支配するだろう。だが、すぐに打ち破られるので、統治期間はそんなに長くないだろう。2人は協定を忘れがちな蛇を支配するだろう。その協定は花輪の笏の代わりに蛇の尾を突き刺すものである。

 

10−2 

それからノルマン人は木の船で海を越え、アングル人に対し激しい攻撃を加えるだろう。ノルマン人は鉄の鉄のチュニックと荒々しい剣でもってアングル人を滅ぼし、その地を支配するだろう(『ブリタニア列王史』73章に対応。意味については争いがあり)。ノルマン人は多くの地域を統治し、異民族を支配する。それは天を飛び回る復讐の女神、フリアエが各地に不和を巻き散らかすまで続くのだ。

 

平和と信仰、美徳は失われ、国中の至るところで人々は戦いに巻き込まれるだろう。裏切りが横行し、誰も友人なんて作れない。夫は妻を軽蔑し、売女と仲良くするだろう。そして妻も夫を軽蔑し、別の男と結婚するようになるだろう。いかなる名誉も教会を維持することはできず、法は滅び去る。司教は武装するだろう、軍事基地が建設されるだろう。聖地に塔と壁が建設され、貧困者に属すべきものを軍人に与えるだろう。

 

富裕層が持ち去ったため、世俗に属するものは失われ、司教が禁じたものが神から取り去られるだろう。3は新入りの支持を得て王冠を得るだろう(3は何を意味するのかよく判らない。二人のウィリアム王とヘンリー1世を意味するとか。以下、唐突に現れる数字はイギリス王を現すらしい)。

4は猪に囲まれ、その牙が「兜を被った男」(『カンブリア年代記』だとその形から「スコットランドの山々」)をさえぎるため、厄介な信仰は彼が父親を覆うまで権威をえるだろう。

高みを目指す4(ステファンを意味するらしい。ある学者はウィリアム2世、ヘンリー1世、ステファン、ヘンリー2世だという説を取る)は、油を塗られるだろう。

王冠を被る2リチャード1世とジョン王らしい。ただ、『マーリンの生涯』はジョン王の生まれる40年前に書かれているのだから、整合性があわない)は、ゴール人に戦わせることに成功するだろう。

6ジョン王?)はアイルランドの城壁を破壊して打ち任し、信心深く慎重なものは再び街を作るだろう。

 

これらの出来事は、以前俺がヴォーティガーン対し詳細に予言していたものだ。俺がその説明をしたのは、地下から現れた2匹の龍が戦ったときだった(『ブリタニア列王史』73章。赤と白の龍が戦う話)。

 

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