第1章 ルッジェーロの捜索が始まること、そしてリナルドは捕虜になること

 

 

前に述べたように、この物語の主題はフランスに対する外敵の侵略である。

この侵略作戦について相談するため、アグラマンテ王は彼に仕える王たちを招集した。

だが、ソブリノはこの王の方針に対して反対した。彼は、作戦を効率的にする唯一の方法として、ルッジェーロを仲間に入れるまでの間、行動に出るべきではない、と述べたのである。

このルッジェーロはアグラマンテの母方の従弟であり、現在はアフリカ人のアトランテの手により、カレナ山に閉じ込められている。

ソブリノの助言はアグラマンテの案よりも良いもののように思われたので、会議ではこの案を採用する決定がなされてから解散され、王は作戦遂行の成否がかかっているルッジェーロの捜索を命令した。

 

さて、場面は再びアルブラッカに移る。

城壁の前では、いまだマルフィーザによって包囲攻撃が続けられていた。

だが、リナルドは新たな敵であるオルランドを探すため、アストルフォ、イロルド、プラシルドとともに出発した。

アストルフォが集団の先頭を進んでいると、一行は1人の泣いている乙女に出会った。

なぜ悲しんでいるのか訪ねられた乙女は、先ほど近くの橋を渡ろうとしたとき、橋を見下ろすようにして立っている塔から1人の悪漢が姿を現し、彼女の姉妹を捕まえると、捕虜にしてしまったうえ、彼女の服を剥ぎ取って裸の彼女をイトスギの木に吊るしてしまったのだ、ということを説明した。

 

アストルフォはすぐに自分の馬の後ろに泣いている乙女を乗せ、みなは乙女の姉妹の救出に向かうことにした。

橋の近くの塔に閉じ込められた乙女と、彼女を苦しめている看守は、すぐに姿を現した。

まずはイロルドとプラシルドが看守と対決するが、次々と打ち負かされてしまった。

悪漢は彼らの体を、橋の上から川に流れ込む湖に投げ捨てしまう。

リナルドが戦ったが、ほとんど攻めることもできないうちに鋼鉄の棍棒で殴り倒されてしまった。

だが、悪漢が他の騎士のようにリナルドを湖に投げ込もうとすると、リナルドは懸命に抵抗し、自由になろうとした。

そのため蛮人は、すでに他の騎士たちが流されてしまった湖に、彼を投げ込むことができなかった。

 

この間、囚われの乙女は姉妹の手によって身柄を解放されていた。

アストルフォはかなりの時間、川辺で悩んでいたものの、2人の乙女が彼を説得したため、ついにその場を立ち去った。

 

彼はバヤールに乗り、乙女のうち1人にはラビカンを、もう1人の乙女にはバビロニアの騎士の馬に乗らせた。こうして騎乗した2人の乙女は、アストルフォの案内で進んだ。

 

 

2010/07/31

 

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