16章 フロリマールと蛮人

 

 

フロリマールが恋人を探していると、彼は叫び声を耳にした。その声のほうに向かうと、彼女が木に縛りつけられている現場に到着した。

 恋人を助けるために馬を下りたフロリマールが彼女のいましめ緩めたとき、彼は無骨な棍棒と盾で不そうした野蛮人の攻撃を受けた。

 この異邦の森の民は驚異的な身体能力を持ち、またいくつかの奇妙な性癖があるといわれている。

 

――彼らは森の中に住み、木から食料を得る。

――そして、飲み水は泡だった小川から得る。

――また、彼らには晴れて雲のない空を見ると、

――泣きだすという性質があったという。

――彼らにとって晴れ空は恐怖の象徴で、びくびくしながらすごす。

――彼らは嵐や曇り、寒い日や雨など天候が悪い中で生きていおり、

――雷や雹などが降るとこれを楽しんだという。

――彼らはいまより暖かな太陽や、幸福な日を望んでいるのだ。

 

 さて、フロリドリに感嘆にしていた野蛮人は、彼女を解放しようとしているフロリマールを見てびっくりした。

 すかさずフロリドリが危険を告げたため、フロリマールは自分の経験と武勇のすべてを駆使して野蛮人の攻撃を避けることができた。

 フロリマールは、野蛮人が装備していた無骨な武器を切り裂いてしまったが、野蛮人は両手を使ってフロリマールにつかみかかり、崖下に投げ落とそうとした。だが、幸運にも直前で彼は腕を振り払うことができた。

 頼みとしていた投げ技に失敗した野蛮人には、すでに武器がない。そこで苗木を投げつけようと、地面から根っこごと引っ張り始めた。苗木を抜こうとしている隙を突いて、フロリマールは野蛮人を殺してしまった。

 フロリマールはフロリドリを解放すると、自分の乗ってきた馬の背に彼女を乗せ、先ほど分かれてしまったオルランドを探しに出かけた。

 

 さて、フロリマールがオルランドを探しているうちに、著者はアルブラッカについて語らなければならない。

 リナルドはグリフォンと白兵戦を繰り広げたが、ついに必殺の一撃で彼を気絶させてしまった。

 兄弟が殺されたと思い込んだアクィラントは、勝者に戦いを挑む。

 だが、グリフォンが脳震盪から回復すると、ふたたびリナルドを攻撃しだす。

 

 多対一で攻撃されるリナルドに気づいたマルフィーザは、彼の援護にかけつけた。

 その他にチュッフラデイノを護衛すると誓っていた者たちは気乗りしない様子で戦いを眺めていたが、再びリナルドとマルフィーザを相手に戦いを始めた。

 ちょうどこのころ、オルランドはフロリマールを探している途中であった。また、フロリーマールの方も森の中でオルランドを探しまわっていた。

 

2010/07/23

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