15章 ブリタニアの過去1

 

 

注 時系列的にはさっきまでのは予言で未来のこと、これからのは過去の話になる『ブリタニア列王史』6巻、8巻など。

    アーサー王達も登場するので、読み飛ばしは非推奨

 

「コンスタンティンが裏切られたとき、弟のウーゼルとアンブロシウスが海外に逃亡した時のことを覚えている

そして、王を欠いていたので、宰相であるグエントのヴォーディガーン(グエント「Gewissi」が何処なのか不明。サクソンだとかブリテンのどこかだとか言われているそうです)が軍を率いて諸外国と戦った。

 

その結果、ヴォーディガーンは指揮権を得るが、罪なき農民達は哀れな死に方を強いられた。多くの貴族達の死によってヴォーディガーンは王位につき、王国全土を支配するようになった。

だが、ウーゼル兄弟達と血縁のある者達はヴォーディガーンに不満を抱いており、ヴォーディガーンの都市に火をつけて回り、軍事力でもって王国に動揺をもたらした。

こうして、ヴォーディガーンの治世は平和が保たれなかったのである。この人民による蜂起を鎮圧することはできなかったので、ヴォーディガーンは彼の敵達に対抗するため、遠い外国からサクソン傭兵を招き入れる準備を始めた。

すぐに、外国から戦闘部隊がやってくると、ヴォーディガーンは彼らを歓迎した。こうして、曲がった竜骨でできた船に乗って上陸したサクソン人は、兵隊としてヴォーディガーンに仕えることになった。

 

サクソン人どもは2人の勇敢な兄弟、ホルサとヘンギストゥスによって統率されており、こやつらは後々になって邪悪な裏切りによって人民を苦しめることになった。これからあと、王に対して勤勉に仕えつつも、サクソン人は信頼を獲得した。さらに人々がサクソン人の関与によって争うのを見たため、ついにサクソン人は王を打ち負かすことができるようになった。

ついにサクソン人どもは人民を裏切ると、猛烈に武器を振り回し、計画的に詐術を用いて王族達を殺害した。王族は雪山の頂上(雪は純粋の象徴とかそんか感じだと)から追放される。

これらは既に俺が以前、王国に起こることだと予言したことだった。

海外を放浪したあと、国内の家屋に放火し、従うものすべてを作り上げるように努力した。国内がこれほど危険な状況にあるとき、ヴォルティメル(ヴォーティガーンの息子、父と違い反サクソン思想の持ち主)また父がブルータス(ブリタニアの初代国王)の宮廷から追い出されると、人民の同意を得てブリトン人を脅かす蛮族に攻撃を加えた(ブリタニア列王史だと613)。多くの戦いによって、サクソン人は艦隊でサネット島へ逃げ出すことになった。しかし、ホルサを始め、多くのサクソン人は我が軍によって殺されたのである。

さらにヴォルティルメル王はサクソン人を追いかけ、海から陸からサネット島を包囲した。しかしサクソン人は突然に艦隊に乗り込み、力づくで海へと脱出して故郷へ逃げ帰ったため、包囲作戦は結局失敗に終わった。

 

だが、サクソン人のリーダー・ヘンギストゥスの姉妹の、ロウィーナ(Rowena、ウェールズの伝承では名前が異なり、Ronwen。南雲堂フェニックスから出てる列王史の和訳だとレンウェイン。ついでに姉妹でなくてヘンギストゥスの娘になっている。)はこの勝利に憤慨し、兄弟の敗戦に悪意を持つと義理の子・ヴォルティルメル(ヴォーディガーンは親サクソン派で、サクソン人の有力者から後妻を得てたのでロウィーナは継母にあたる。ちなみに、ヴォルティルメルが王になったのも、ブリトン人がヴォーディガーンの親サクソン的政治に不満を持ったため。)を毒殺した。

その後、すぐロウィーナは兄弟のヘンギストゥスに対し、王が死んだ名だから好戦的なブリタニア人を征服することができるから、大軍を率いてこちらに帰ってくるように手紙を送った。これによって、ヘンギストゥスは軍とともに帰還して我らと戦い、船にいっぱい積み込むまで略奪し、ブリタニア各地に放火するなどして国土を荒らしまわった。」

 

 

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