アーサーの死

 

==概要==

国王牧歌』の最後に収録されている作品です。
今現在、『国王牧歌』の収録作品のうち、邦訳があるのはこの作品だけです。あぁ、私がやった『ベイリンとベイラン』は翻訳のうちに入りません。あれは駄文ですから。
岩波の『テニスン詩集』に収録されてますので、興味がある方は読んでください。私の訳より格段に優れてますよ。
それに、対訳形式になってまして、左半分にもとの英語、右半分に日本語が書かれてます。勉強になりますよ。

ところで、アーサー王好きなら、このタイトル、マロリーの『アーサー王の死』と似てるとか、まぎらわしい、と感じるでしょう。
でも、英語でならべると全然違う。
テニスンの牧歌の英題は『The Passing of Aurthur』。第一の牧歌、 『The Coming of Aurthur』(アーサーの誕生)と対になっているのですね。

で、マロリーのあれは『Le Morte d'Arthur』。
タイトル見て分かる人は分かるんですが、フランス語なんですよ。
直に英語に直せば、『The Death of Aurthur』。
これを、『アーサー王物語』と和訳した井村君江先生には本当に驚かされました。
気持は分かりますが、私は本文はかなり意訳しますが、タイトルについては基本的に直訳でやってますからね。だって、怖いもん。
さすが今村先生、私にはできないことを平然とやってのけるッ。
そこにシビれるあこがれるゥ!

 

==あらすじ==

で、前置きはここまでにして内容に入ります。
タイトルが『アーサーの死』となってますが、実質主役はベティヴィア卿です
いまだかつて、ベティヴィアが主人公のアーサー王モノがあっただろうか、いやない。
あ、違う。19世紀にテニスンが書いてたのか。私の中で初のベティヴィア主人公作品だったから、あせりすぎですな。

そんな物語は、反逆者・モードレッドとの最後の戦い前夜から始まり、重傷を負ったアーサー王がアヴァロンに旅立つまでを描きます。
基本的に、マロリー版の設定を膨らませた感じで、派手な改変とかしてません。
あえて言うなら、べディヴィアがカッコ良すぎるとか、アーサー王がモードレッド戦でエクスカリバーを使用するとかその程度ですね。
なぜか、マロリー版だと「カムランの戦い(wiki)」でのアーサー王の武器は槍なんですよ。
そして、クライマックスの、べディヴィアがエクスカリバーを湖に投げ入れようとして…のシーンも完全再現です!


==登場人物==


アーサー王
このサイトに来てる方には説明不要。

べディヴィア
本作の主人公。忠臣の見本とも言える人物。全騎士中、最初に叙任されたが、すでに老齢。

モードレッド
アーサー王に反逆した騎士。エクスカリバーの一撃を受け絶命。

ガウェイン
既に故人だが、亡霊となって登場。管理人は結構好きなので、リストに入れた。

 

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