20章 心境の変化

 


こう言うと、乙女は歌い始めた。
「あぁ、太陽よ。
(といっても、ろくでなし卿、あんたが不運にも打ち負かした頭の悪けど強い男のことじゃないわよ)
あぁ、太陽は幸福と苦痛を弱めるの。
そして月は再び眠りをもたらすの。
甘く輝いてね。
愛は2度、私に対して微笑んだ。」

歌い終わると、リネットはガレスに尋ねた。
「ねぇ、ラブソングとか、愛について知ってる?
いやいや、たぶん、アンタは高貴な出身で、素晴らしい人間なんだわ」
そして再び歌い始めた。
「あぁ、太陽とともに開く露に塗れた花よ。
太陽が沈んでしまえば、花は閉じてしまう。
甘く咲いてね。
愛は2度、私に対して微笑んだ。」

「…ねぇ、貴方は花を知っている?
この場合、料理の付け合せのは花とは言わないからね。
陛下は私に対し厨房の華とも言うべき貴方を派遣したわ。
愚かな愛のための花かしら?
貴方は肉入りパイに串をさしたり、イノシシの頭を飾り立てたりしたのかしら?花ですか?
いえ、イノシシはローズマリーと月桂で飾るわね」

「鳥よ、朝の空をさえずる小鳥たち。
鳥よ、日々さえずる小鳥たち。
甘く歌ってね。
愛は2度、私に対して微笑んだ。」

「あなたは、小鳥を知ってるかしら?
たとえば、ヒバリやウタツグミ、クロウタドリにムネアカヒア(※)を知っているかしら?」

(※ムネアカヒアはLinnet。発音はままリネット。最後にこれが出てくるあたりなんか考えてしまう。)

「あなたは誓いの前にどんな夢を見るのかしら。
たぶん、音楽は光の中で育っていくのよ。彼らのやる太陽崇拝ってやつかしら?
それは罠なの。(そのため、彼らはファンタジー趣味に走ってているし。)
こういうのは、信じてはいけないわ。
あなたが逃げ帰ったりでもしない限り、見えてくることになるわ。
ほら、あそこに3番目の頭の悪い寓話風の名前のが立っているわ」
 

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