12章 不機嫌なケイ

 

 

こうして、2人の来訪者は次々と宮廷から出て行った。

そして、乙女達は王が朝に散歩する歩道を通って去っていく。

それから大きな階段をくだり・・・

 

(情景描写が延々と続くのですが、イマイチよく判らない。誤訳は避けたいし、本筋には関係ない部分だから省略させてください。)

 

ガレスは大股で扉に歩み寄ったが、怒れる乙女には追い付けなかった。

王の贈り物は、1つ街の半分に匹敵する価値のある最高の軍馬であった。その軍馬の隣には2人の従者がいる。

そして、新品の盾と兜、また馬には槍も備え付けられていた。

ガレスは楽な格好になるために上着を緩め、脱ぎ捨てた。

こうしてガレスは輝く武具に身を包み出発した。

兜、盾、槍を持って騎乗するガレスの姿は嵐のよう。かなり立派なものであった。

ガレスの周りにはかつてともに下働きした大勢の仲間が、ただ愛情のために誰よりも真面目に働いた男を見るためにやってきた。

 

ガレスは騎乗したまま、帽子を投げて叫んだ。

「陛下に対し、そして皆に対し神の恵がありますように!」

そう言ってガレスは小道を通り、門の外に出た。

 

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そして、ガレスは喜びとともに出発した。

だが、野良犬どうしが喧嘩をするように、

扉の近くにいたケイは、いつもガレスをこき使っていたときのように、ガレスを侮辱する言葉を口にした。

 

「冒険には、馬と武具が必要だ・・・。

陛下はそれを皿洗いの下働きごときにそれを与えてしまうとは!

お前は台所に戻れ。魂に火をつけてる余裕があるなら、ロウソクでも火を付けていればいいんだよ!

太陽が西から昇って、東に沈むくらいにありえない話だ。

出て行け、この下働きめ!

本当に、年を取れば若造に警戒しなくなるものだから、若者の無茶振りに驚かされると言うが、その通りだね!

この馬鹿が、台所下働きの分際で恥ずかしげもなく大声でわめきやがって。

ふん、私の前では従順で消極的だったくせに、ランスロット卿に可愛がられてからは威張りちらすようになりやがって。

お前のご主人様は私だと言うことを忘れたようだから、もう一度教えてやろうか?

奴は霧の中からやって来たんだから、私の槍でまた泥の中に叩き落してやる。

もし陛下が正気を取り戻したら、ふたたび乱心しないように。」

 

 

ランスロットはケイを諌めた。

「ケイよ、そなたは陛下に逆らうのか?

陛下は自分の決定を曲げたことはない、そして君はこれまで陛下に対し従順に仕えて着たではないか。

わきまえなさい。

この若者は丈夫な体をしているし、槍と剣の使い方も知っているのだから」

 

「ふん、そんなこと言っても無駄さ」とケイは言った。

「君は礼儀正しいから、下働きの馬鹿丁寧なしぐさに騙されているのさ。

そう言い残すと、ケイは無言で馬に乗り街を下り、門を目指した。

 

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