1章 ブリタニア荒廃

 

カメリアド王、レオデグランには美しい一人娘がいた。

その娘、グィネヴィアは世界で一番美しく、レオデグランはの喜びはグィネヴィアの中に存在していた。

 

アーサー王座に付くまで、何人かの狭量な王がブリテン島を統治した。

しかし、互いに戦争を引き起こし、国土を荒廃させるだけであった。

まだ、時には海の向こうから異教徒の集団で押しよせ、これも悩ましい問題であった。

アーサー王の登場まで、荒野は広がり、その荒野では獣が増殖し、逆に人口は減少していくのだった。

まずアウレリウス王は戦争を行い、死去すると次にはウーゼルが王となった。ウーゼルも戦争を行い、死去してしまう。

どちらの王も、王国を統一することはできなかった。

これらの王の後、しばしの空位があり、ようやくアーサー王が登場する。

「円卓の騎士」の力で度量の低い貴族たちを従えた。

そしてアーサーは王を率いる王であり、国を統治した。

 

こういうわけだから、アーサー即位以前のカメリアドも荒廃していた。

木々が茂り、森の中には多くの獣が生息していた。

そのため、誰もが獣による危害を恐れて生活を送っていた。

昼も夜も野犬や狼、イノシシや熊が畑に現れ、獣は王宮をも転げ回るのだった。

ときに狼は子供をさらって食べてしまうこともあった。

だが、狼の子供が死んでしまっていた場合、母狼はさらってきた赤ん坊に乳を飲ませることもあった。

そうすると、獣の巣で育った子はうなり声をあげるようになり、やがて2本足で歩けるようになると4本足の養母を嘲るようになる。

こういう子供は狼のような、いや、狼よりタチの悪い人間に育ってしまうのだ。

 

レオデグラン王は再びやってきたローマ軍と「カエサルの鷹」(ローマの紋章)を見て悲嘆にくれた。

そこで、レオデグランの兄弟王・ウリエンは彼を攻め立てた。

最後の異教徒の群はが来た時、霧は太陽によって赤く染まり、大地は血液によって染められた。

槍は兵の母親達の命を砕き、子供を串刺しにした。

レオデグランは驚愕し、自分の力では民を守ることはできないということに気が付いた。

2009/6/14

next
top

inserted by FC2 system