4章 ベイランの助言
それを聞いてアーサーは言った。
「そのものを私の前に出頭させよ。そいつが私より劣るものでないのかを確かめてやる。
彼は下劣にも、私を侮辱したのだからな!
私のため、森の悪魔を捕まえて来てくれるものはいないか?」
ベイランは「ここにいるぞ!」と答えた。
こうして、ベイランは冒険に出ることになり、馬に乗って出発した。
だが、その前にベイリンを抱きしめて注意した。
「兄さん、聞いてください。
僕が出かけている間、気分にまかせて行動してはいけません。
どれだけ激情に流されてきたことか!
外の悪魔を精神から遠ざけたままにしておかなきゃいけませんよ、飛びついて来て兄さんを引き裂いてしまいますから。
下手に考えたりしても、道を踏み外す事になるでしょう。
宮廷の皆が、花のように歓迎してくれるのを見ましたよね。
そんな人たちが陰口を叩いたりすることはないですよ。
実際の所、僕の心配事は兄さんなんだ。
皆と仲よくしてくれると、僕も嬉しいなあ。
真実、兄さんは宮廷の仲間になって欲しいんだ。
皆で色々考えたりして、愛で結びつくのですよ。
天国で人を憎むことがないのと同じくらいに、そして楽園で嫉妬することがないのと同じくらいに。